南砺の土で制作した陶芸作品を手にする金さん=南砺市細野

南砺の土で制作した陶芸作品を手にする金さん=南砺市細野

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南砺の土で作陶成功 城端に工房持つ金さん

北日本新聞(2019年2月3日)

 韓国出身で、南砺市細野(城端)の工房を拠点に制作に取り組む金京徳(キムキョントク)さん(48)が、全て南砺で産出された土を素材にした作陶に成功した。地元の土にこだわり、約20年掛けて試行錯誤を繰り返してきた。「南砺の土は自身の作陶になくてはならない存在になった」と手応えを感じている。

 金さんは17歳で陶芸家の兄に弟子入りして腕を磨き、韓国新美術展に入選するなど実績を積んだ。韓国に留学していた南砺市井波地域出身の小橋真由美さん(46)と出会って結婚し、1998年に来日。散居村が一望できるロケーションにほれ込み、2007年から現在の拠点で制作活動を続けている。

 南砺で陶芸を始めてから、全て地元の土で茶わんを作ってみたいという思いを抱き続けてきた。土の調達が困難だったことから一度断念したものの、今回は市内2カ所で良質な山の土を提供してもらえることになった。山に行って採取した土をふるいにかけ、大切に使っている。

 複数完成した作品の中で、特に3つで一セットとなる湯飲みには工夫を凝らした。茶たくは禅や宇宙といったコンセプトに応じ、丸、三角、四角とそれぞれ形を変えた。器そのものは100%南砺の土で作ったが、表面を覆う上薬は母国・韓国の土を素材としたものにこだわった。湯飲みの内側などに用いることで、自身のルーツを表現した。

 金さんはこの湯飲みを15個市に寄贈。南砺らしい素朴な風合いを感じさせる器は、市長室を訪れる人のもてなしに活用されている。「南砺の土で作った焼き物の魅力を、大勢の人に知ってもらいたい」と話している。

 湯飲みなどは金さんのギャラリーで鑑賞できる。問い合わせは金さん、電話0763(62)4858。

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