公開される「加賀の千代女」直筆の文台と軸=白山市千代女の里俳句館

公開される「加賀の千代女」直筆の文台と軸=白山市千代女の里俳句館

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白山の俳句館 千代女の直筆の4点を公開

北國新聞(2019年2月14日)

 白山市千代女の里俳句館は15~28日、同館で松任出身の江戸時代の俳人「加賀の千代女」直筆の新資料4点を公開する。初確認の句が裏面に書かれ、直筆作品としては最古級となる文台1点と、資料的、美術的に価値の高い軸3点で、展示ケースを新設して郷土の偉人の足跡を伝える。
 文台は幅59・5センチ、奥行き33・1センチ、高さ11・8センチで、初確認となった句「月影を なみのもとりて 二見かな」があった。俳書「姫の式」で見られる句「帷子(かたびら)の 襟にはおもし 荻(おぎ)の音」や、52歳でてい髪する前の落款の一つ「ちよ」もしたためられていた。
 同館によると、これまでに確認した直筆資料の9割以上が出家後の品で、落款には「千代尼」が用いられている。千代女は23歳で伊勢へ旅に出掛けており、今回、見つかった句に登場する「二見」は伊勢の二見浦を指すという。木田清館長は「非常に貴重な品で、最古の直筆資料だと考えている」と話した。
 3点の軸は、いずれも60代の作品と考えられる。千代女が永平寺の禅師から「三界唯一心(さんがいゆいいっしん)」の経典をテーマに俳句を求められ、その場で作ったとされた句や、加賀藩の絵師矢田四(やたし)如(じょ)軒(けん)による繊細なホトトギスの絵などが確認できる。4点の購入費には、クスリのアオキ(白山市)の青木桂生会長の寄付金が充てられた。

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