日本酒の製造工程を学ぶメンバー

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蓑谷産米の日本酒を 城端のグループが三笑楽酒造見学

北日本新聞(2019年2月25日)

 南砺市蓑谷集落(城端)の男性でつくる「廃れいく集落を真面目に心配する会」(山田清志会長)のメンバーが24日、同市上梨(平)の三笑楽酒造を見学した。本年度初めて取り組んだ米作りの技術を学ぶ「農業塾」の集大成として、自分たちのコメを日本酒に加工する可能性を探った。

 蓑谷集落は城端地域の中山間地に位置する。廃れいく集落を真面目に心配する会は集落の20~50歳の全男性59人で構成し、ハイペースで高齢化が進む集落を盛り返す方策を探っている。

 農業塾は親の世代に農作業を任せきりにしている若者が多いという危機感を踏まえ、本年度初めて実施した。使われなくなった集落の田んぼ2区画計35アールで、メンバーが連携して山田錦を栽培し、約1400キロを収穫。出荷後、メンバーの一人から、自分たちが育てたコメで"蓑谷ブランド"の日本酒ができないかという提案が上がった。

 三笑楽酒造の見学には14人が参加。杜氏(とうじ)の山崎英博さんから説明を受けながら、日本酒製造の工程を学んだ。メンバーは自分たちのコメを日本酒にすることを考えながら、「醸造してもらうには少なくとも何キロ必要か」などと熱心に質問した。日本酒への加工を提案した長尾直樹さん(35)は「蓑谷産のコメで作った日本酒はどんな味になるのか。活用する目的がはっきりしていれば、農作業のモチベーションアップにもつながる」と話した。

 山田会長は、出荷後は他の生産者のコメと混ざってしまい、作り手が商品化された後のことや消費者の反応を知ることができないと指摘。「自分たちのコメが地元の蔵元で日本酒になる様子を見て、農業を見直してもらうきっかけになればいい」と話していた。

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