第75回金沢市工芸展(北國新聞社後援)は27日、めいてつ・エムザ8階催事場で始まり、入賞入選作196点が金沢に息づく、工芸のすそ野の広がりを示した。
初日はパティシエの辻口博啓さんが陶芸家の十一代大樋長左衛門さんと対談し、辻口さんは自身の菓子作りの姿勢を紹介しながら「作品の本質には語れるストーリーが必要」と述べ、工芸と共通するものづくりの精神を強調した。
金沢市長最優秀賞となった大西重広さんの染色「聖地光彩(せいちこうさい)・白山大汝峰(はくさんおおなんじみね)」、北國新聞社社長賞となった村本真吾さんの漆芸「枝羽(えだは)―風の舞―」など入賞作が注目を集めた。北國いけばな研究会による生け花の大作が会場を彩り、茶道裏千家淡交会石川青年部による茶席も設けられた。
同展は3月4日までで、2日午後4時から受賞者によるギャラリートークがあり、2、3日には工芸体験コーナーが設けられる。