福井県二州地区3市町の特産品をコラボレーションした丼「つるみみ丼」がこのほど、敦賀市内のすし店にお目見えした。敦賀の「おぼろ昆布」と美浜の「鯖のへしこ」、若狭町三方地域の「福井梅」を合わせた一品で、同市の就労継続支援A型事業所「ラボウェル」が開発した。おぼろ昆布は事業所利用者が職人から技を習得して製造した自慢の商品で、「丼を通じて嶺南のおいしい食べ物や、頑張っている人がいることを知ってほしい」と話している。
丼は温かいご飯の上に、おぼろ昆布とほぐした鯖のへしこ、刻んだ大葉をトッピング。練り梅に酒やみりんを加えた特製の梅干しソースを掛けて食べる。あぶったへしこの香ばしさや昆布の香りがご飯の湯気で立ち上り、爽やかな酸味が食欲をそそる一品となっている。刻みのりなど3種の薬味と、昆布のだし汁がセットで、お茶漬けでも楽しめる。
開発は昨年の福井国体がきっかけ。物販ブース出店に向け、嶺南の名を全国に発信できる商品を開発しようと、従業員全員で考案した。嶺南の特産品を一度に楽しめる丼を作ることにし、食材の調理方法や組み合わせを変えながら約2カ月間試行錯誤した。
使う食材で外せなかったのがおぼろ昆布。敦賀は全国トップの生産量を誇る一方、担い手不足が課題になっており、利用者が3年ほど前から市内の昆布かき職人に弟子入りしている。現在8人が技術を磨いており、利用者の取り組みも知ってもらおうと採用した。
3市町の頭文字を取って「つるみみ丼」と命名。国体会場では述べ15日間、1日40食限定で販売し完売が続いた。「おいしかった」「また販売してほしい」との要望に応え商品化を決めた。
同事業所が運営する与三郎寿し野神店(同市野神)で提供しており、1杯700円で販売している。注文は予約制で、電話で受け付けている。問い合わせ、予約は同店=電話0770(47)5024。