昭和初期に犬が洪水から町を救った「忠犬伝説」にちなみ、IRいしかわ鉄道津幡駅が10日、至る所に犬の装飾が施された「犬の駅」に生まれ変わった。階段やホームの車両案内表示に犬の足跡が描かれ、駅構内の広場壁面には2匹の犬が見詰め合う愛らしいイラストがお目見えした。
駅構内の広場には、高さ約1・2メートルの犬の像が設置された。車掌の帽子や制服を身に着け、座る犬と立つ犬の2体あり、石川高専の学生がデザインに協力した。10日は除幕式が行われ、IRいしかわ鉄道の七野利明社長、矢田富郎津幡町長があいさつした。
津幡町津幡地区には、1944(昭和19)年春に大雨で堤が決壊寸前であることを1匹の犬が住民に知らせ、土のうを積んで事なきを得たという伝説がある。86年から同駅で利用客を見守ってきた「火牛の像」は倶利伽羅駅に移された。
記念イベント「犬(ワン)ダーランド」も催され、津幡町観光ボランティア「つばたふるさと探偵団」が忠犬伝説の紙芝居を上演。犬の鼻がデザインされた記念入場券も特別販売された。津幡いいとこ・やまほどあっろの会がイベントに協力した。