船蔵に収められたお船を前に開かれた竣工式

船蔵に収められたお船を前に開かれた竣工式

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お船祭りへ、江戸期の山車美しく 松本・里山辺の荒町町会

信濃毎日新聞(2019年3月11日)

 松本市里山辺地区の荒町町会は10日、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願う須々岐水(すすきがわ)神社の例大祭「お船祭り」で使う船形の山車「お船」の竣工(しゅんこう)式を開いた。同町会に約200年前から伝わる老朽化したお船を約2680万円かけて修復。美しい姿を取り戻したお船の門出を、集まった約30人が晴れやかな表情で祝った。

 お船祭りは江戸時代から伝わる伝統行事で、毎年5月4、5日に開く。地区にある九つの町会にそれぞれ伝わるお船は1986(昭和61)年に県宝に指定されている。祭りの当日にはお船の前後に紅白や色とりどりの幕を張り、氏子らが波間を進むように揺らしながら、お船を引いて地区内を練り歩く。

 荒町町会のお船は江戸時代後期の1826(文政9)年に作られ、高さは約4・5メートル。各町会で最も大きい車輪を持ち、源平合戦の石橋山の戦い、富士川の戦いを描いた彫刻が施されている。2017年6月に解体して修理を始め、車輪を取り換えたり、漆を塗り直したりした。

 この日は、船蔵に収められた金や朱色が鮮やかなお船を前に、タイや野菜、米などを供えて神事をし、玉串をささげた。同町会長の辻憲一さん(72)は「後世に残る大事なお船の修復に関われたのは名誉なこと。後を継ぐ人たちのためにも地域に幸せをもたらしてほしい」と話していた。

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