“嶺南ジビエ”の普及に向けて、シカ肉の調理法を学んだ研修会=3月12日、福井県小浜市食文化館

“嶺南ジビエ”の普及に向けて、シカ肉の調理法を学んだ研修会=3月12日、福井県小浜市食文化館

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ジビエを嶺南ブランドに 普及へ福井県で料理研修会

福井新聞(2019年3月13日)

 福井県嶺南地域にジビエ(野生鳥獣肉)の加工処理施設が相次いで開設されたのを受け、6市町でつくる嶺南地域有害鳥獣対策協議会は3月12日、シカ肉を使った調理研修会を小浜市食文化館で開いた。飲食業者や市町職員ら約20人が参加し、"嶺南ジビエ"の普及に向けて洋風、和風のメニュー計4品を作った。

 嶺南では、鳥獣害対策の一環として2013年、6市町が若狭町海士坂に有害鳥獣食肉処理加工施設「若狭ジビエ工房」を開設。協議会事務局によると、民間事業者による施設は本年度までに美浜町に2カ所、高浜町に1カ所オープンし、いずれも厚生労働省のジビエガイドラインに沿った加工処理を行っている。公設と民間合わせて4施設がそろったことで、"嶺南ジビエ"としてブランド化を図っていこうと研修会を企画した。

 講師には飲食店でジビエ料理を扱っている料理人2人を招いた。美浜町で居酒屋を経営する傍ら猟師の経験を生かして同町新庄に加工処理施設を設けた中村俊彦さん(55)と、敦賀市のイタリア料理店で店長を務める江守謙裕さん(40)が▽狩人風シチュー▽アヒージョ風炒め物▽ヒレ肉のロール巻き―など4品を伝授。参加者は2班に分かれて2品ずつ調理し、試食した。

 おおい町名田庄地区の料理旅館経営者(45)は「加工処理施設が増え、イノシシやシカを取り扱いやすい流れができてきた。研修を通じてひと工夫したメニューを研究したい」と話していた。

 協議会によると、嶺南6市町で毎年、約7千頭のシカが有害捕獲されているが、大半が焼却処分され、食肉として流通するのは300頭前後にとどまっているという。処理加工施設が嶺南に増えたことで新年度以降、「嶺南」や「若狭」を冠したジビエのブランド化を本格的に検討していく方針。

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