佐久穂町に外国人観光客を呼び込む方法を探っている同町の住民団体「S.I.T.E.(サイト)」が外国人向けガイドマップを作り、13日、町内で配り始めた。観光スポットの他、「町内でやるべき六つのこと」として、住民が開いている書道やそば打ち講座、山歩きなどを紹介。町民との交流を通じて町で思い出をつくってもらい、口コミで観光客が増えることを期待している。
同団体は昨年1月、町の魅力を海外に発信し、観光の活性化にもつなげようと町民有志6人で結成。1年目の活動としてマップ作りを掲げた。公民館で英会話講座を月1回開く西村寛さん(70)、佳寿子さん夫妻=畑=が中心となり、JR羽黒下駅と八千穂駅の周辺の紹介に絞って準備。外国人観光客への対応が可能な施設や講座を開いてくれる町民を探し、地図や紹介文に記した。
マップはA4判8ページ。八千穂駅近くの「黒沢酒造」などがある古い街並みや、千曲川沿いの田舎の雰囲気が感じられる散歩道も紹介。英語が母語でない外国人を考慮して、日本の中学生が習うレベルの英語を使った。「こんにちは」「おはようございます」などの日本語も記し、住民との交流を促す。
「六つのこと」のうち四つは、リンゴやブルーベリーなどの果樹狩り、書道や木彫りといった文化面のワークショップ(参加型講座)、山歩き、そば打ちを挙げた。残り二つとして、佐久穂の魅力を自分で見つけてほしい、地元の人と交流してほしい―と求めている。
西村さん夫妻は国際協力機構(JICA)のシニア海外ボランティアとしてカンボジアやヨルダンなどで活動した。「旅では地元の住民と交流することが一番思い出に残る。住民と旅行者が交流することで文化を理解し合い、互いの刺激にもなってほしい」と話している。
マップはアジアやアフリカ諸国の在日大使館などにも今後送り、町の知名度向上につなげたいという。問い合わせは西村さん(電話0267・88・7121)へ。