地物の食材を使った一皿を提供するオーナーシェフの鈴木さん(右)と妻の裕子さん=富山市東岩瀬町

地物の食材を使った一皿を提供するオーナーシェフの鈴木さん(右)と妻の裕子さん=富山市東岩瀬町

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岩瀬の人情に支えられ再船出 伊料理店の鈴木さん

北日本新聞(2019年3月14日)

 富山市東岩瀬町のイタリア料理店「ピアット・スズキ・チンクエ」が今月、2017年6月の火災で焼失して以来となる同所での営業再開を果たした。オーナーシェフの鈴木五郎さん(41)は同町での営業を断念しかけたが、住民の励ましで奮起。「岩瀬で店を続け、助けてもらった地域の人に感謝を伝えたい」と話している。

 神奈川県出身の鈴木さんは約10年間、都内の有名店で修業した。12年に家族で富山市に移住し、17年3月に東岩瀬町で開業。北前船交易で栄えた名残を伝える築約100年の「宮城家」の一角でイタリア料理を提供していた。

 開店して3カ月後、ランチ営業時に出火。けが人はいなかったものの、店は焼失した。休業を余儀なくされるとともに、鈴木さんは「もう店を出せないかもしれない」と途方に暮れた。

 そんな中、跡地で同じように営業できるようにすると地元住民が働き掛けてくれた。鈴木さんの妻、裕子さん(42)は火災直後に電話で予約のキャンセルを伝えた際のことを振り返り「『また食べに行くのを楽しみにしています』と言葉を掛けられ、涙がこぼれた」と言う。

 こうした声に励まされ、総曲輪レガートスクエア内に店舗を借り、火災から1カ月で営業を再開した。昨年5月に岩瀬曳山車祭(ひきやままつり)に曳き手として参加した際も住民に温かく迎えられた。

 完成した新店では地物の魚や野菜を使った前菜とパスタ、メインで構成するコースなどを提供。鈴木さんは「富山では朝にとれた魚がその日に食卓に並び、水がおいしい。そんなぜいたくを引き出せる料理を作りたい」と意気込む。

 営業は午前11時半~午後3時半と同6~10時。月曜、第2、4日曜定休。問い合わせは同店、電話076(482)4014。営業時間帯はメールinfo@p-suzuki5.com。

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