大勢の乗客が待つホームに入る北陸新幹線「かがやき508号」=14日午前10時5分ごろ、JR富山駅

大勢の乗客が待つホームに入る北陸新幹線「かがやき508号」=14日午前10時5分ごろ、JR富山駅

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5年目の北陸新幹線快走 「利用客まだ伸びる」

北日本新聞(2019年3月15日)

 北陸新幹線は14日、長野-富山・金沢開業から5年目に入った。利用者数は好調を維持しており、4年目は3年目を上回った。4年間の延べ利用者数は3480万人に上る。

 開業4年目(2018年3月14日~19年2月28日)の利用者数は840万7千人。5年目以降の見通しについて、日本政策投資銀行北陸支店の山中宏昭企画調査課長は「北陸にはインバウンド(訪日旅行者)需要を取り込む余地がまだあり、乗客数は伸び続けるとみている」と説明した。

 富山駅では、早朝の列車から大勢のビジネス客らが乗降した。その後も速達タイプの「かがやき」、各駅停車タイプの「はくたか」が次々に新幹線ホームに滑り込み、スーツ姿のビジネスマンや土産物の紙袋を手にした観光客、大型のキャリーケースを引いた訪日旅行者らが行き交った。

 出張で富山を訪れた千葉県の鉄鋼メーカーの社員、藤堂渉さん(34)は「名古屋と同じくらいの感覚で来られた。ビジネスがますます盛んになっていくと思う」と語った。

 東京に戻るという河栗聡士さん(22)は、県内に親類がいるため3度目の利用。「富山に来るなら新幹線、という感じで、定着してきた」と笑みを浮かべた。

 金沢以西は、23年春に敦賀(福井)までの開業が予定されている。

 新幹線と在来線特急の乗り換え場所が現在の金沢から敦賀に変わるため、富山と大阪間の所要時間は、現在の約3時間10分から50分程度短縮されることになる。

 敦賀-新大阪の区間は、大まかなルートが固まっているものの、建設費を確保するめどが立っていないため、着工時期は定まっていない。国土交通省によると、建設費は2兆1千億円、工期は15年と見込まれている。


■あいの風も好調維持
 北陸新幹線開業に伴い、JR北陸線の県内区間を引き継いだあいの風とやま鉄道の利用は順調に推移している。1日当たりの利用者数は、2017年度が4万636人と過去最多。18年度も4~12月が4万2183人で、前年同期比1・8%増となっている。

 同社は通勤・通学時間帯での増発や他社線との接続改善などに努めており、日吉敏幸社長は「利用者の目線に立った取り組みが底上げにつながっている」とみる。昨年3月に開業した高岡やぶなみ駅も数字を押し上げた。好調な実績を背景に、20年春に予定していた運賃値上げの延期も検討している。

 4月6日からは観光列車「一万三千尺物語」の運行をスタート。土日や祝日の利用者を伸ばす狙いがあり、日吉社長は「北陸新幹線を利用する県外観光客を呼び込みたい」としている。

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