福井県大野市で400年以上続く「七間朝市」が3月21日、冬季休業を終えて再開した。雨がちらつく、あいにくの天気となったものの石畳の七間通りには約3カ月ぶりに店が並び、まちなかに伝統のにぎわいが戻った。市内外から訪れた人は各店を巡り、買い物や出店者の"おばちゃん"との会話を楽しんでいた。
七間朝市は例年、春分の日から大みそかまで同朝市出荷組合員が毎日出店している。
再開初日は、おばちゃんたちが午前5時半ごろから集まり始め、22人がフキノトウや根菜、切り花など丹精込めて育てた品を販売。暖冬で雪が少なく、収穫が早まった葉物が例年より多く並べられた。「元気やったかー」「今年もよろしくの」など、通りのあちこちでおばちゃんとお客の会話が弾み、久しぶりの再会を喜んだ。
一年間の無病息災や商売繁盛を願う神事、振る舞い酒、陽明中吹奏楽部の演奏などもあり、通りを盛り上げた。
福井市から家族で訪れた女性(63)は「初めて来たが、情緒があっていい雰囲気。これからも足を運びたい」と、上庄さといもを使った煮っ転がしを手に大満足の様子。越前大野七間朝市振興協議会の吉村公裕会長(63)は「旬の良いものをお買い得にそろえている。お客さんには朝市を見るだけでなく、商品をたくさん買ってほしい」と話していた。
この日は冬期休館していた越前大野城と、市民有志らでつくる「越前こぶし組」の人力車運行も再開した。