雄島の自然を表現した空間に並ぶ小野忠弘さんの作品。窓の奥には三国の美しい自然が広がる=福井県坂井市のONOメモリアル(梅津忠夫さん撮影)

雄島の自然を表現した空間に並ぶ小野忠弘さんの作品。窓の奥には三国の美しい自然が広がる=福井県坂井市のONOメモリアル(梅津忠夫さん撮影)

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福井の名所・雄島と芸術を愛した2人を追悼 福井で常設展始まる

福井新聞(2019年3月24日)

 福井県坂井市三国町を拠点に創作活動し、国際的に高い評価を受けた現代美術作家、故小野忠弘さんと、小野さんと親交があり昨年12月に亡くなった福井市美術館初代館長の松村忠祀さんをしのぶ常設展「小野忠弘 雄島の森展-松村忠祀を偲ぶ-」が3月23日、坂井市のONOメモリアルで始まった。芸術に携わった2人が愛した雄島の自然を表現した静謐(せいひつ)な空間に、小野さんのジャンクアート(廃材芸術)が披露されている。

 展示は、小野さんに師事した三国町出身のアートディレクター戸田正寿さんが企画・監修した。作品の間に黄色の板や木材を配し、雄島の林や夕日を表現。小野さんの作品「Silver」シリーズなど33点を並べた。

 松村さんは、雄島にある大湊神社の宮司を務めるとともに、県立岡島美術記念館学芸員、県立美術館学芸員などを歴任した。芸術や自然、それを守り抜こうとする思いを小野さんと共有し、ともに活動をもり立てた。

 常設展と同時開催の企画展「松村忠祀に選ばれしものたち」では、松村さんが大切にしていた茶わんや土器約30点を展示している。近代絵画史の研究に使用した書籍なども置かれている。
 戸田さんは「2人はけんかもよくしていたが、芸術や自然への思いは同じだった。大きな窓から三国の自然を望むこの空間で2人の思いに触れてほしい」と話していた。

 企画展は6月2日まで。常設展は当面行う。金・土・日曜、祝日に開館し午前10時~午後4時。入館料は無料。

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