打刃物職人の技術に触れるワークショップスペースも備えた龍泉刃物の直販店=4月4日、福井県越前市池ノ上町

打刃物職人の技術に触れるワークショップスペースも備えた龍泉刃物の直販店=4月4日、福井県越前市池ノ上町

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職人技、見て体験して、龍泉刃物が直販店

福井新聞(2019年4月5日)

 越前打刃物製造の龍泉刃物(福井県越前市池ノ上町)が4月13日、職人の技術に直接触れられる体験スペースを備えた直販店を同社近くにオープンする。内装には越前和紙や越前箪笥(たんす)を取り入れ、同社は「クオリティー高く製品を作っている現場を見てもらうとともに、地域のものづくりを伝える場にしていきたい」としている。

 元刃物工場の平屋建て(床面積約330平方メートル)を改装し、約3分の1を展示販売スペースとした。福井市を拠点とする墨絵アーティスト西元祐貴さんが、社名にちなみ越前和紙のキャンバスに描いた巨大な竜がシンボル。グレーを基調とした店内では、包丁、テーブルナイフ、ペーパーナイフなど全商品約120種類を紹介している。中央のカウンターでは、試し切りや包丁研ぎができる。

 残る3分の2のスペースは昔ながらの機械が並ぶ刃物工場をそのまま残し、職人から手ほどきを受けるワークショップの場所とした。ナイフ作り、研ぎ体験、つち目や刃文を施す技術を使ったコースターやコップ作りができる。
 
 店内には越前和紙のほか、越前箪笥の職人による家具も備えた。増谷浩司社長(59)は「打刃物以外の伝統工芸も紹介し、訪れた人に丹南に少しでも長く滞在してもらいたい」と話す。

 2013年にフランスで開かれた国際料理コンクールで同社のステーキナイフの切れ味が注目を集め、現在では国内外の有名シェフが同社の製品を愛用。近年は工場を直接訪ねてくるシェフや一般の愛用者も増えている。これまで丹南の伝統工芸に触れる毎年秋のイベント時に限っていたワークショップの機会を増やすことも狙い。増谷社長は「イベントで産地を知ったリピーターがいつでも来られる場を作り、発信の拠点にしていきたい」と話している。

 営業時間は午前10時から午後5時。定休日は不定休となり、同社のホームページで紹介している。

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