桜をめでながら歴史や食、多彩なアトラクションを楽しむ「ふくい桜満喫フェスティバル」が6日、福井市中央公園で開かれた。甲冑(かっちゅう)姿での登城体験や福井城址(じょうし)のお堀を巡る「桜舟」の催しをはじめ、弁当や和菓子販売、木工品作りなどのテントがずらり。快晴に恵まれ満開の桜の下、大勢の家族連れらが花見を満喫していた。
第34回ふくい桜まつりの一環で、例年の時代行列に代わるメインイベントとして、市などの実行委が企画。再整備され初めての春を迎えた市中央公園の芝生に、多彩な団体のブースが出展した。
登城体験では、参加者が甲冑や裃(かみしも)姿で公園内から城址の山里口御門まで、かつての藩主の登城の行程をたどった。時代行列で使われる籠も登場し、一行は"姫"を中心にゆっくりと御門までの道行きを体感。
華やかな装束に身を包んだ大阪市の岡本幸子さんは「歴史が好きなので参加したけれど、旅先でお姫様気分を味わえてラッキー」とご機嫌だった。
お堀では「桜舟」と銘打ったボートが繰り出され、参加者が水上から桜を堪能した。親子で乗り込んだ福井市の野崎智子さんは「普段見られない景色が広がって、気持ちよかった」と満足そう。
テントではカスタネットや小さな椅子などを作る木工体験に親子連れらが挑戦。グラウンドゴルフやフライングディスクの体験もあり、子どもたちの歓声が響いていた。
このほか、山里口御門の完成1周年を記念した催しも。門の櫓(やぐら)で復元の手掛かりとなった笏谷石の瓦など出土遺物を特別展示。天守台では藤島高箏曲部の演奏やバイオリンとピアノのデュオが、桜色に染まった城址の雰囲気を盛り上げた。