金沢城から東京までの参勤交代ルートをたどる「北國街道を歩く」(北國新聞社主催)は初回の6日、約120人が金沢城から森本までの約8キロを歩いた。参加者は街道沿いに残る加賀藩ゆかりの名所旧跡に理解を深め、大名行列が行き交った歴史の一端に触れた。
青空の下、参加者全員で「目指すはお江戸日本橋」と声を合わせて出発し、歴史研究家梶本晃司さん(東京)が講師を務めた。
金沢城の実質的な正門に位置付けられる大手門では、梶本さんが、利家の入城前は現在の黒門口の位置にあり、キリシタン大名高山右近の助言で移動したことを説明した。
一行は、尾張町から東山を抜け、桜丘高近くに建つ「下口の松門(しょうもん)」に到着。同門は、金沢城下と城外の境であることを示し、江戸に向かう時に行列を緩める門であったことも学んだ。
名物「柳橋団子」が売られていた「柳橋茶屋」があった旧道を通り、初日のゴールである森本駅にたどり着いた。
母、妹と参加したパート西谷内礼子さん(49)=金沢市上荒屋6丁目=は「北國街道の名前は聞くけれど、住んでいてもよく分からない。桜を楽しみながら、金沢の知られざる話を聞ける」と笑顔を見せた。
「北國街道を歩く」は全21回で、月1~2回のペースで行われる。東京五輪の開幕目前である2020年6月に東京・東大赤門にゴールする。全行程の参加者には完歩証が贈られる。