岡田元首相と松尾大佐の像を紹介する山元さん(右)=4月6日、福井県福井市日之出1丁目

岡田元首相と松尾大佐の像を紹介する山元さん(右)=4月6日、福井県福井市日之出1丁目

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「エキウラ」には魅力たっぷり 地元店主らがガイド

福井新聞(2019年4月9日)

 福井県福井市のJR福井駅東側一帯で、地元商店主らが「エキウラ」の魅力を伝えるまち歩きツアーを展開している。ゆかりの偉人や伝統芸能を学び、食のスポットや蔵元を巡るなど盛りだくさんの内容が好評を博している。4月6日のツアーでも市内外の参加者から「見逃していた歴史やお店を知ることができた」と喜ぶ声が上がった。

 従来、敬遠されがちだった「エキウラ」という呼称を個性ととらえて魅力を発信、足を運ぶ人を増やそうと地元有志が開いている。ツアー名は「老舗若旦那が誘(いざな)うディープなエキウラの世界」。ガイドが参加者の要望にきめ細かく対応できるよう定員10人で、6日のツアーには8人が参加した。創業100年を越えるしょうゆ製造販売「山元菊丸商店」の山元裕次代表(50)がガイドを務めた。

 一行はまず、駅東口広場で岡田啓介元首相の銅像と二・二六事件で身代わりとなって殉職した松尾伝蔵陸軍大佐の胸像を見学。山元さんは「地元では松尾大佐の方が人気があり、歌もある」といった豆知識を披露した。東大通りでは、1968年の1巡目福井国体に合わせ中央分離帯のケヤキ並木が整備されたことを紹介した。

 福井藩の馬術練習場「桜の馬場」があったとされる荒川沿いでは、参加者が満開の桜の下で当時に思いをはせた。県指定無形民俗文化財の伝統芸能「馬鹿(ばか)ばやし」が奉納される火産霊(ほむすび)神社では、実際の面をかぶって太鼓をたたいた。

 大正時代から続く「マルサパン」でラスクや辛口カレーパンなど自慢の商品を購入。創業200年余りの蔵元「常山酒造」で試飲。山元菊丸商店ではしょうゆ搾りを体験した。最後は、こんにゃくの煮物や近くの精肉店のこだわりの焼き豚などの料理と日本酒を堪能し、エキウラの"底力"を体感した。

 参加者は「歩いて回れる範囲に見どころがたくさんあった」「お酒やこんにゃくの煮物がおいしかった」と笑顔。山元さんは「自分たちも気付いていない魅力がたくさんある。地域のつながりを大切にしてさらに活動を広げたい」と話している。

 次回ツアーは6月1日の午後1時半~同4時。参加費は2800円で20歳以上が対象。申し込み、問い合わせは福井観光コンベンションビューロー=電話0776(20)5151(平日午前9時~午後5時)。

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