富山市山田宿坊の沢連(そうれ)集落にあるグラウンドで、こいのぼりの掲揚が行われている。集落で掲げられなくなった品を集め、二十数年前から端午の節句に合わせて続けられている春の風物詩。12日は山田保育所の子どもたちが、見頃を迎えた桜とこいのぼりの下で元気に遊んだ。
集落ではかつて、男児のいる世帯がこいのぼりを揚げていた。子どもたちの成長に伴って掲げられなくなったことから、近くに住む坂口清志さん(73)がまとめて飾ることを提案。近年は地区外からもこいのぼりが寄せられるようになっている。今年は65本を5月10日ごろまで掲げる予定で、雨や強風の日は降ろす。
青空の広がった12日は山田保育所の年中、年長児14人が訪れた。くっつくように泳いでいるこいのぼりを見つけ、「仲良しだね」と声を上げていた。坂口さんは遊び回る姿に「にぎやかな声が響いてうれしい」と目を細めていた。