ガイドから高原バスの終日運休を聞き、がっかりした様子の観光客=立山駅

ガイドから高原バスの終日運休を聞き、がっかりした様子の観光客=立山駅

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立山黒部アルペンルート全線開通

北日本新聞(2019年4月16日)

 立山黒部アルペンルートが15日、約4カ月半ぶりに全線開通した。美女平(977メートル)-室堂(2450メートル)間を走る立山高原バスは風と雪の影響で終日運休し、室堂の雪壁の間を散策するイベント「雪の大谷ウオーク」は中止となった。

 美女平-室堂間は早朝から吹雪となり、午前7時で20センチの積雪があった。県道路公社や立山黒部貫光などが協議し、視界不良で乗客の安全が確保できないと判断した。

 高原バスは昨春の全線開通日も荒天で終日運休した。入り込み客数100万人を目標とする立山黒部貫光は2年連続で出鼻をくじかれた格好となったが、担当者は「自然のせいなので仕方ない。お客さまの安全が第一」と話した。16日の運行は道路状況を確認し、早朝に決める。

 同社によると、今年の雪の大谷の雪壁の高さはほぼ平年並みの16メートル。15日の入り込み客数は富山側は400人、長野側が3千人だった。

 関西電力は同日、同ルートの関電トンネルを走る電気バスの出発式を長野県大町市の扇沢駅で開いた。昨年11月に廃止したトロリーバス(愛称トロバス)に代わり導入。バリアフリーに配慮した低床車両6台が観光客ら計約290人を乗せ、滑るように静かに走りだした。

 立山高原バスの運休を受け、絶景を楽しみにしていた国内外の観光客からは残念がる声が上がった。

 アルペンルートの富山側の玄関口・立山駅では、午前7時5分ごろに運休を知らせるアナウンスが流れた。さいたま市浦和区の会社員、乙部克彦さん(52)は「雪の大谷が見たかったけど仕方ない」と言い帰路に就いた。大阪府大阪狭山市の無職、森山達也さん(72)は「天気が相手だから仕方ない」と苦笑い。「車中泊をして、明日出直します」と気持ちを切り替えた。

 一方、立山-美女平間を結ぶ立山ケーブルカーのほか、長野側と室堂間を行き来するバスやロープウエーなどは全て運行した。台湾から訪れた男性観光客(37)は「明日には帰らないといけない。バスが止まったのは残念だけど、美女平までは行く」とケーブルカーの乗車待ちの列に加わった。

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