材料や製法の異なる和紙の光沢や手触りを確かめる参加アーティストたち=4月18日、福井県越前市大滝町の長田製紙所

材料や製法の異なる和紙の光沢や手触りを確かめる参加アーティストたち=4月18日、福井県越前市大滝町の長田製紙所

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作家が滞在、和紙で創作 福井・和紙の里でキャンプ

福井新聞(2019年4月20日)

 福井県の越前和紙の里を舞台に開かれる「今立現代美術紙展」の一環として、国内外の美術家が越前市今立地区に滞在しながら和紙を使った作品を制作する「今立アートキャンプ春展」が4月18日、同地区で始まった。同日に産地の紙漉(す)き現場を視察して伝統に触れたアーティストたちは19日から、市いまだて芸術館などで公開制作に取り組んでいる。作品は27日から5月6日まで、同芸術館で展示される。

 公募で集まった参加アーティストは福井や東京、奈良、大阪、岡山などからの計9人。昨年の同展で受賞した画家の辻井潤子さん(シンガポール)、造形作家の黒田久美子さん(福岡市)のほか、中国人留学生や福井県内の高校生もいる。

 一行は17日に顔合わせし、18日は伝統工芸士の長田和也さんなどの案内で、産地の越前市大滝町の製紙場を視察。長田製紙所では、ふすま紙づくりの工程や原料のコウゾなどの加工現場を見て回ったほか、天然素材だけからつくられた天然紙の美しさ、炭を混ぜて漉いた黒い和紙の光沢、繊細な漉き模様などを確かめた。参加者たちは手触りを確認するなど産地の技に創作意欲をかき立てられていた。

 今立現代美術紙展が滞在型のアーティスト・イン・レジデンスに取り組むのは2007年以来。同展ではこのほか、作品公開期間中に紙漉き創作や活版印刷のワークショップなど紙にまつわるイベントを、産地の各地で行う。

 今立アートキャンプは10月中旬に秋展も予定している。

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