修復を終えた獅子頭を前に笑顔を見せる高桑さん(左)と小原さん

修復を終えた獅子頭を前に笑顔を見せる高桑さん(左)と小原さん

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155年前の輝き再び 城端蒔絵職人が獅子頭修復

北日本新聞(2019年4月20日)

 南砺市城端地域に一子相伝で伝わる「城端蒔絵(まきえ)」の職人が155年前に制作したとみられる獅子頭が、16代目継承者の小原好喬(よしとも)さん(40)によって修復された。同市田向(平)集落の獅子頭で、少子高齢化で獅子舞の継続が危ぶまれる中「当初の姿を取り戻したい」という住民の熱意を受け、鮮やかによみがえった。

 城端蒔絵は安土桃山時代から440年以上の歴史を誇る。一族のみで伝承し、6代目から「治五右衛門」を名乗り、城端曳山(ひきやま)祭の一部曳山の設計や塗りも手掛けてきた。

 田向集落の獅子頭を納める箱には「元治元年 子三月出来」とあり、1864年3月に完成したとみられる。さらに「塗師 小原治五右衛門」の名が記され、小原さんは年代や技法などから10代目が手掛けたと推測する。

 集落の獅子頭は同市上梨(平)の白山宮で行われる式年大祭に合わせ、33年ごとに修復する伝統がある。長い年月の中で職人が異なる技法で手直ししてきたが、獅子舞を継承する田向青年会の高桑晴彦さん(36)は、城端蒔絵の職人に修復してもらいたいという思いがあった。集落は少子高齢化が進み「次の33年後は修復できるか分からない。集落の宝物を元の姿にしたい」と考えたからだ。

 高桑さんの思いと先代が手掛けたというつながりを踏まえ、小原さんは初めて獅子頭修復の依頼を引き受けた。前回の修復で塗られた塗料をはがし、歯は純銀で仕上げた。顔をさらに磨き、鏡面のようにつややかな光沢を出した。

 美術品のような美しい仕上がりに、高桑さんは「最高の出来。早くみんなに見せたい」と言う。小原さんは「ルーツを大切にする人の思いを受け、使命感を持って取り組んだ」と話した。

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