一般公開を再開した旧橋本家住宅=4月20日、福井県大野市宝慶寺

一般公開を再開した旧橋本家住宅=4月20日、福井県大野市宝慶寺

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国重文「旧橋本家住宅」2年ぶり公開 福井県大野市

福井新聞(2019年4月21日)

 保存修理工事が行われていた福井県大野市宝慶寺にある国の重要文化財「旧橋本家住宅」の一般公開が4月20日、2年ぶりに再開した。一部脱落したかやぶき屋根はすっかり元の姿を取り戻し、訪れた観光客らは里山の風情あふれる江戸期の民家のたたずまいに見入っていた。

 約300年前の江戸時代中期から残る旧橋本家住宅は、奥越の山間部に見られた伝統的な農家。平入りの作りで、大野市の中で最も古い住宅構造をしている。1969年に重文に指定され、その後宝慶寺集落内から宝慶寺境内に移転復元された。内部は江戸期の山村の生活様式をにじませている。土間にはいろり、うまやなどがあり、土の上にむしろを敷いて生活していた当時の暮らしがうかがえる。

 2017年1月に雪害と老朽化によりかやぶき屋根の北側全面と西側の一部が滑り落ち、公開を休止していた。国と福井県から補助を受け、大野市が約4400万円をかけ修理。富山県産のかやを使い屋根のふき替え、建物の傾きを直すなどの補修を進めてきた。「筋交(すじかい)」と呼ばれる木製の部材で梁(はり)の耐震補強も行った。

 この日は、開場にあわせて同市上庄保育園の園児や市民ら約90人が訪れ、姿を取り戻したかやぶき屋根にじっくりと見入っていた。いろりへの火入れや、同市の学芸員による建物の解説も行われた。

 市教育委文化財課課長は「2年の間公開できなかったが、時間をかけてしっかりと補修してきた。大野の貴重な文化財に触れていただけたら」と話していた。

 公開は水曜と土日祝日の午前9時~午後4時。入場は無料。11月上旬まで予定している。

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