富山湾を望む黒部市の高台に集結した全国の「ももいろクローバーZ」ファン=20日午前11時半ごろ、宮野運動公園

富山湾を望む黒部市の高台に集結した全国の「ももいろクローバーZ」ファン=20日午前11時半ごろ、宮野運動公園

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黒部沸いたぜっ 一大事 モノノフ1万6000人

北日本新聞(2019年4月21日)

■新幹線駅から大行列

 春の黒部に「ももクロ旋風」が吹き荒れた-。20日、黒部市宮野運動公園で開催された人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の野外ライブ。北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅に停車する東京方面からの「はくたか」は午前の指定席が満席に。駅周辺の小売店や会場近くの物販スペースも多くの「モノノフ(ファンの愛称)」でごった返した。緑豊かな田舎町に約1万6000人が集まり、フィーバーに沸いた1日を追った。

 午前8時58分着の「はくたか」で黒部宇奈月温泉駅に降り立つファンたちを出迎えようと、駅へ向かった。列車が到着すると、赤、ピンク、紫、黄色のカラフルな服装の乗客がどっと改札口に現れた。

 熱心なファンは最も好きなメンバーのテーマカラーに合わせた「参戦服」と呼ばれるコスチュームを身に着けてライブに臨む。駅の近くで出会った黒部市宇奈月町浦山の佐々木善行(よしゆき)さん(46)は「東京駅みたいに人が多い。新幹線開業時よりすごいかも」と驚いた。

 駅を出てしばらく歩くと、会場までの坂道を上るモノノフの一団が見えた。このうちの1人がのどかな風景に「遠足みたいで楽しい」。一方、近くに住む高齢女性はあまりに長い列を大名行列に例え「城下町になったみたい」と表現した。

 開演前の正午すぎ、会場近くの物販スペースに着くと、ペンライトやリストバンドなどのファングッズが飛ぶように売れていた。「周りの人と一緒になって楽しみたい」と、東京都の会社員、濱本清佳さん(25)は期待を高めた。

 ライブ開始予定時刻の午後3時に近づくと、入場口にファンが殺到。予定より15分遅れ、3時15分に開演した。

 じらされたモノノフたちの声援は出だしから熱を帯びる。ステージ上のメンバーもそれに応えるように熱唱した。アンコールの「ももクロのニッポン万歳!」でボルテージは最高潮に。その時、斜め後ろに立っていた60代らしき男性が突然、メンバーの玉井詩織さんの愛称「しおりん」を絶叫した。ファンの情熱を改めて感じた瞬間だった。

 ライブ終了後のファンたちは感想を言い合い、興奮冷めやらぬ様子。友人と訪れた金沢市の大学生、掃部(かもん)琢己さん(19)は「めっちゃかわいかった。会場は海が見えて雰囲気が良かった」と満足げだった。東京都の公務員、今井忍さん(41)は「一生懸命なメンバーに今回も勇気をもらった。夜は仲間と飲みながら余韻に浸ります」。そう言い残すと、夜の街へ向かった。(社会部・市江航大)

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