北口(左)と南口(右)をつなぐ南北自由通路。中央は北陸新幹線の改札=21日午後0時半ごろ、富山駅(パノラマモードで180度撮影)

北口(左)と南口(右)をつなぐ南北自由通路。中央は北陸新幹線の改札=21日午後0時半ごろ、富山駅(パノラマモードで180度撮影)

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南北口つながった 富山駅に歩行者通路

北日本新聞(2019年4月22日)

 富山駅の南口と北口を結ぶ歩行者用の通路が21日開通し、跨(こ)線橋や地下道を通らずに南北を自由に行き来できるようになった。あいの風とやま鉄道の改札口から北口までの距離は跨線橋を使うこれまでの経路より約100メートルも短くなり、大型連休を前に同駅の利便性は格段に向上した。

 鉄路による南北の分断を解消する富山駅付近連続立体交差事業の一環で、あいの風とやま鉄道の高架化工事がスタートしたのは2005年。高架化は13年余りを経て3月完了し、歩行者通路の南北接続へ向けた工事が行われてきた。駅構内の中央にあった旧駅務室を撤去したため、南口と北口が直線でつながった。

 長さ約40メートル、幅約5メートルの通路は21日午前4時半に利用が始まり、買い物やイベントに出掛ける市民のほか、あいの風や北陸新幹線の乗客、観光客らが終日行き交った。開通に伴って跨線橋は閉鎖した。

 今後も線路や旧北口駅舎の撤去を進め、10月ごろをめどに通路の幅を広げる。最終的には25メートルまで拡大し、来年3月に完成する予定。駅高架下で富山地方鉄道と富山ライトレールの路面電車のレールをつなぐ南北接続工事も同時に完了する。


■通勤に買い物に「便利」
 歩行者用の通路が開通した21日、通勤やショッピングなどで日常的に通行する人たちは「南北間の近さに感動する」と好印象を口にした。

 富山市舟橋今町の会社員、深川浩志さん(56)は駅北まで歩いて通勤しており「狭い地下道を通らずに済むので、会社に行きやすくなる」。富山ライトレールから市内環状線「セントラム」に乗り継いで富山大和へ買い物に出掛けるという同市岩瀬新町、高田夕起子さん(74)は「北口から南口までの距離が近く、移動が楽になった。路面電車の接続も待ち遠しい」と話した。

 この日はバスケットボール男子Bリーグ1部・富山グラウジーズのレギュラーシーズン最終戦が市総合体育館で開催された。会場へ向かう同市水橋市江新町の山本勝さん(62)は「以前と違い、南口方面で買い物した後、すぐに駅北へ行ける。とても便利だ」と喜んだ。

 駅周辺の飲食店からも歓迎の声が上がった。同市牛島町のビル地下1階で営業する「天ぷら小泉たかの」の店主、高野智朗さん(42)は「県外のお客さんから『店までの道のりが分かりづらい』と言われていた。客足がもっと伸びてほしい」と期待を寄せた。

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