棟方志功が描いた魚津の風景画などが並ぶコーナー

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志功描いた魚津見て ひかわ文雅堂檜川さん 祖父との交流伝える

北日本新聞(2019年4月23日)

 額装や画材を扱う「ひかわ文雅堂(ぶんがどう)」(魚津市真成寺町)は4月から、世界的板画(はんが)家の棟方志功が描いた魚津の風景画を展示している。初代店主の故檜川三郎さん(1903~81年)は志功と交流があり、同店には倭画(やまとが)(肉筆画)や直筆のはがきが残る。志功の魚津への思いや、地域住民との交流を今に伝えている。

 ひかわ文雅堂の作品はこれまでほとんど公開してこなかった。三郎さんの孫、孝弘さん(51)が、改めて店の歴史に光を当てようと常設展示を決めた。「棟方志功と僕のじいちゃん」と題し、魚津を描いた倭画2点のほか、直筆のはがきのコピー、三郎さんの写真を並べた。

 倭画は、同店所蔵の「大町海岸」と、大町公民館から預かっている「ときわの松」。いずれも大町地区の風景を題材にしている。同店所蔵作品の一部は新川文化ホールの特別展(6月2日まで)に出品しており、展示終了後は店内でも並べる。

 孝弘さんによると、三郎さんは書と写真が好きで、旧福光町に疎開していた志功に画材を提供していた。当時の店は、志功や文化功労者の故大平山濤さん(朝日町出身)ら文化人や支援者が集い、芸術論を交わすサロンのような場所だったという。

 志功から三郎さんへのはがきは昭和20年代の消印が押され、魚津から眺める山並みの美しさや、支援への感謝の言葉がつづられている。孝弘さんは「志功さんの表裏のない人柄の良さや魚津への思いが伝わってくる。歴史を改めて見つめ直す機会になればうれしい」と話している。

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