福井県勝山、大野両市にまたがる県奥越高原牧場で4月23日、冬を牛舎で過ごした乳牛の放牧が始まった。広々とした高原に駆け出した牛は、おいしそうに牧草をはんだ。
県内の酪農家から雌子牛を買い取り、約2年間飼育。人工授精で妊娠させ、再び酪農家に販売している。栄養豊富な牧草と適度な運動で健康な牛に育つという。
今年は少雪だったため、例年より2週間早い放牧となった。青空がのぞく中、乳牛68頭が月齢で二つの班に分けられ、牛舎から大移動。550キロ前後の巨体を揺らして走った。牧草地に着くと、ゆっくりと歩き回りながら青々とした草をはんでいた。
牧草地は標高400~600メートルで広さ185ヘクタール。5月中旬には、さらに約70頭が放牧され、11月中旬まで過ごす。
桝田靖憲場長は「大型連休前の放牧となり、来場者に牧歌的風景を楽しんでほしい」と話していた。