小さな山あいの集落を一丸となって盛り上げようと、新潟県十日町市の松之山黒倉地区で住民組織「縄文ノ和 黒倉」が活動を広げている。4月27、28日には地域内のレストランと共同で、地元の味と音楽を楽しむ「黒倉春祭り」を開く。住民たちは、にぎわいを呼び込もうと張り切っている。
松之山黒倉は22世帯50人が暮らす山あいの集落。「縄文ノ-」は昨年2月、移住者を増やし地域を活性化しようと、広島市出身の移住者で農業の男性(45)の発案で発足した。男性は十日町市の元地域おこし協力隊員だ。
縄文土器も出土する郷土の文化と集落結束の願いを名前に込めた。30代、40代を中心に集落全員で知恵を出し合い、イベント開催などに力を入れてきた。
集落恒例の秋のそばまつりでは、同地区にあるレストラン「醸(かも)す森」と共同開催した。松之山温泉の旅館「酒の宿玉城屋」が、市の宿泊施設を買い取って開いた店で、地域を発信するという共通の目的でコラボが実現した。
今回の春祭りはその第2弾。レストランでは地元食材を使い郷土料理とフレンチを融合させたランチビュッフェを提供する。レストランの周囲では住民らが「勝手市」と題して山菜、そばの実を使ったジェラート、ハーブティーなど特産品の直売所や屋台を開く。市内外の太鼓奏者が出演し音楽祭も開く。
開催を控え住民らは22日、まだ雪の残る会場に集まり、直売所の雪囲いを外すなど準備を急いだ。男性は「結束力の強さが黒倉の魅力の一つ。ぜひ豊かな大自然と人の良さを満喫してほしい」と来場を呼び掛けている。
ランチビュッフェは90分食べ放題で税別2500円(小学生以下同1800円)。勝手市は午前9時~午後3時。問い合わせは「醸す森」、025(596)2200。