歴史の重み漂う優美な旋律を紡ぐ「ステッセルのピアノ」=北國新聞赤羽ホール

歴史の重み漂う優美な旋律を紡ぐ「ステッセルのピアノ」=北國新聞赤羽ホール

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楽都音楽祭が開幕 金沢、赤羽ホールでステッセルのピアノ演奏

北國新聞(2019年4月29日)

 「いしかわ・金沢風と緑の楽都音楽祭2019」(北國新聞社特別協力)は28日、「北欧とロシア」をテーマに金沢市を中心とする北陸三県で開幕した。同市の北國新聞赤羽ホールでは「ステッセルのピアノ」が歴史の重みを感じさせる旋律を響かせた。「ガラ・コンサート」も開かれ、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)弦楽四重奏団などが優美な調べで3年目の幕開けを彩った。
 「ステッセルのピアノ」が一般に演奏されるのは9年ぶり。日露戦争の旅順要塞(ようさい)攻防戦の後、乃木希(まれ)典(すけ)将軍がロシアのステッセル将軍から譲られたと伝わる。旧陸軍の金沢偕行社(かいこうしゃ)での保管を経て、金沢女子大(現在の金沢学院大)に移り、1993年に北國新聞創刊100年記念事業で伝統工芸の技を結集して修復された。
 「音楽祭まるごと紹介」の冒頭、音楽祭実行委員会長で作曲家池辺晋一郎さんとピアニスト大野由加さんがステッセルのピアノでグリーグの「ノルウェー舞曲 第2番イ長調」を演奏した。池辺さんは「歴史あるピアノで美しく、音の響きや残りがいい」と音色の魅力を語った。
 金沢市出身のソプラノ歌手木村綾子さんが華やかな歌声を披露。左手のピアニスト、ステファン・ヴァルズィッキさんも出演した。
 ガラ・コンサートではOEKや地元演奏家らが登場した。スウェーデンのエーテボリ歌劇場の歌姫、メゾソプラノ歌手アン=クリスティン・ジョーンズさん、高岡市出身のバス歌手森雅史さんが深みのある歌声を披露。バイオリンの内藤淳子さん、ピアノのファルカシュ・ガーボルさん、木米真理恵さん、田島睦子さんが出演した。
 会場では七尾市出身のパティシエ辻口博啓さんが監修した音楽祭特製スイーツや、イメージキャラクター「ガルガンチュア」のグッズが販売された。
 楽都音楽祭は5月5日までの8日間、有料、無料の約170公演を繰り広げる。29日は午前11時に金沢駅、富山駅、福井駅、ウイング・ウイング高岡で開幕のファンファーレが響く。

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