片原町交差点を出発する山車

片原町交差点を出発する山車

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豪華7基、令和初日彩る 高岡御車山祭

北日本新聞(2019年5月2日)

 国重要有形・無形民俗文化財で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「高岡御車山祭(みくるまやままつり)」が1日、高岡市中心部で行われた。絢爛(けんらん)豪華な山車(やま)7基が歴史都市・高岡を彩り、新元号「令和」の幕開けを飾った。

 通(とおり)町、御馬出(おんまだし)町、守山町、木舟町、小馬出(こんまだし)町、一番街通、二番町の山車が、坂下町の「源太夫(げんだい)獅子」の先導で片原町交差点に勢ぞろい。式典で、竹田彰宏高岡御車山保存会長、高橋正樹市長があいさつした。夏野元志射水市長、林正之氷見市長、村椿晃魚津市長らが出席した。

 山車は土蔵造りの町並みで知られる山町筋などを巡行し、訪れた多くの観光客を楽しませた。

 御車山祭は、加賀藩初代藩主の前田利家が豊臣秀吉から譲り受けた御所車(ごしょぐるま)を、2代藩主の利長が1609(慶長14)年に高岡を開町した際に、町民に与えたのが始まりとされる。利長を祭る高岡関野神社の春季例大祭に合わせ、毎年5月1日に行われる。

■幕開け飾る歴史絵巻 

 「令和の幕開けにふさわしい華やかさだ」。1日、高岡市中心部で行われた高岡御車山祭は、金工や漆工など伝統の技が駆使された山車7基が歴史都市・高岡で優雅な時代絵巻を繰り広げ、県内外から訪れた大勢の観光客を魅了した。

 霧のような細かい雨が降る中、片原町交差点に車輪をきしませながら山車が集結し、待ちわびた大勢の視線をくぎ付けにした。金沢市の公務員、中田嘉代さん(52)は「近くで見ると迫力があり、各町の思いが山車から伝わってくる」と話し、町衆の財力と心意気によって支えられてきた山車を見つめた。

 国重要伝統的建造物群保存地区の山町筋では、土蔵造りの町家や商店が並ぶ町並みと山車の"共演"を観光客がカメラやスマートフォンで撮影した。

 高岡御車山会館前では、市が用意した1日限定の記念スタンプが人気を集めた。山車が勢ぞろいした場面と「令和元年5月1日」の文字が刻印され、記念台紙5千枚と一緒に設置された。家族4人で訪れた高岡市福岡町下蓑の会社員、中島賢さん(39)は「(令和初日の)スタンプは一生の記念になる」と笑顔を見せた。

 山町筋にある町家2カ所は、ツアー客の休憩スペースとして活用。市観光協会が企画した旅行商品で首都圏や関西から訪れた22人が、町家と祭りの風情をともに満喫した。

 横浜市の自営業、中谷武さん(76)は「高岡の歴史を感じるお祭り。この文化遺産を大切に継承していってほしい」と願いを込めた。

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