大正や昭和の天皇即位の宴で出された献立を紹介する企画展=5月1日、福井県小浜市食文化館

大正や昭和の天皇即位の宴で出された献立を紹介する企画展=5月1日、福井県小浜市食文化館

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大正、昭和 即位の献立は 福井県小浜市で企画展

福井新聞(2019年5月2日)

 天皇陛下即位を記念した企画展「大正天皇の即位と宴(うたげ)」が5月1日、福井県小浜市食文化館で始まった。大正、昭和天皇の即位の宴で振る舞われ、福井ゆかりの料理人が趣向を凝らした献立や儀式を紹介している。26日まで。

 公式記録「大礼記録」など資料4点を展示している。1889年に大日本帝国憲法と同時に旧皇室典範が制定され、即位礼と大嘗祭(だいじょうさい)は京都で行うことが定められた。大正天皇即位時はこの制度の下、新しい要素が盛り込まれ、和食だけでなく洋食も振る舞われた。宴は2日間にわたってあり、2日目の洋食は越前市出身の料理人、秋山徳蔵が取り仕切ったと記されている。大正天皇即位時に出された「玉食供盛献立」のページには「鰉(ひがい)の照り焼き」と書かれている。明治天皇が好んで食べたとされる魚で、そのため魚偏に「皇」という漢字になったという逸話があり、昭和天皇即位時の献立でも同じものがある。このほか「錦海老(えび)」「鏡慈姑(くわい)」といった縁起の良いメニューが目立ち、三色かまぼこ、ささ作りといった品目も確認できる。

 洋食について説明したページには、「但馬牛からわずかしか取れない脂肪に包まれたヒレ肉」「ぶどう酒で煮た鳴門ダイ」「台湾産バナナ入りのポンチアイスクリーム」などと書かれており、夜の宴は約2500人でにぎわったことも分かる。資料から一部抜粋した写真や絵図15点もモニターで紹介。松の木で華やかに飾り立てられたお膳の写真が目を引いている。

 一矢典子学芸員は「新しい天皇が即位され、お祝いムードとなっている。これからいろいろな儀式が続く中で、そこで出される食にも関心を持ってもらえたら」と話している。入場は無料、水曜休館。

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