上田市出身の写真家ハリー・K・シゲタ(日本名・重田欣二(きんじ)、1887〜1963年)の写真展が、同市天神の市立美術館で開かれている。同館所蔵作品など45点を展示し、シゲタの写真術、芸術表現を紹介している。
シゲタは15歳で単身渡米し、ミネソタ州で美術を学んだ後、商業写真家に転身した。ネガフィルムに鉛筆やカッターなどで線を描き込んだり、コラージュの技術を駆使したりして、写真を絵画のように表現する技法を磨き、芸術性の高い商業写真が高く評価された。
シゲタがよくテーマにした裸婦の作品や、御木本真珠店の広告写真になった「真珠と人魚」、シゲタが日本に知られるきっかけとなった「渦巻(うずまき)」などを展示。若い頃から晩年近くに至るまでの作品を取り上げ、美術を学んで得たモチーフや技術、芸術性・独創性の原点を見ることができる。
同館学芸員の松井宏典(ひろふみ)さん(33)は「自分の世界観を表現した作品を通してシゲタの人生も感じてほしい」と話している。
6月2日まで。午前9時〜午後5時。火曜日と5月8日休館。一般300円、大学高校生200円、小中学生100円。問い合わせは同美術館(電話0268・27・2300)へ。