■提灯山で観光客魅了
国重要無形民俗文化財の城端曳山(ひきやま)祭は5日、南砺市城端地域中心部で本祭を行い、山町6町の絢爛(けんらん)豪華な曳山が「越中の小京都」と呼ばれる町を練り回った。夜には明かりをともした「提灯(ちょうちん)山」となり、しっとりとした風情で大勢の観光客を魅了した。
各町の曳山は車輪のきしむ音を響かせながら、ゆっくりと進んだ。曲がり角では曳き手が勢いよく曳山を回転させ、方向転換した。各町の若連中は、茶屋や料亭を模した庵(いおり)屋台で曳山と共に巡った。「所望宿(しょもうやど)」の前に来ると、伝統の庵唄を披露。三味線や篠笛(しのぶえ)が奏でる粋な音色に乗せ、情感豊かにうたい上げた。
提灯山は、いくつもの明かりをつり下げて城端地域中心部を巡行し、幻想的な風情を漂わせた。
城端曳山祭は城端神明宮の春季祭礼で、約300年の歴史がある。2016年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。