福井県小浜市の山川登美子記念館で、改元を記念した企画展が開かれている。小浜藩主酒井家から市に寄贈された「酒井家文庫」の天皇即位や万葉集に関する史料4点と、登美子が詠んだ梅の歌9首を紹介している。6月2日まで。
1738年に描かれた「桜町天皇御即位図」は初公開で、16歳で即位した桜町天皇(1720~50年)の即位式を伝える絵巻物のワンシーン。京都御所紫宸殿(ししんでん)に設けられた高御座(たかみくら)の桜町天皇、摂政ら貴族の姿が描かれ、厳粛な雰囲気の中で行われた様子が見て取れる。平安時代以降の朝廷・公家の儀式、行事を徳川光圀が編さんさせた「禮儀類典(れいぎるいてん)」写本もあり、高御座(たかみくら)や調度品が鮮やかな絵で紹介されている。
また令和が新春の梅を描写した万葉集に由来することから、梅が詠まれた登美子の歌を市文化課が選出した。恋心や朝の情景、元小浜藩士で幕末の志士、梅田雲浜などが表現されている。
午前9時~午後5時。観覧料は大人300円、高校・大学生200円。火曜休館。