映画を通じて外国の文化や習慣への理解を深める「にいがた国際映画祭」が5月31日から、新潟市内の2会場で開かれる。インドや香港など7カ国・地域の8作品を上映するほか、今年は日本セルビア映画祭で出品された短編映画を無料上映。実行委員会は8日に市役所で記者会見を開き、「難しく考えず、まずは映画そのものを楽しんでほしい」と呼び掛けた。
市民ボランティアでつくる実行委が主催し、今年で29回目。31日~6月2日は、クロスパルにいがた(同市中央区)で、6月1~7日はシネ・ウインド(同区)で上映する。
映画祭のテーマの一つである多文化共生について、実行委の永井美津子副委員長は「国や地域の文化の違いだけでなく、LGBT(性的少数者)や貧富の差など一人一人の違いを理解することが共生につながる」と強調。「上映作品を選ぶときも意識した」とする。
期間中の6月1、2日に「日本セルビア映画祭」の無料上映イベントも展開する。同映画祭は両国の交換映画祭として2014年に始まった。セルビア映画を中心に10作品を上映する。
オープニングは31日、仏の戦場喜劇の名作「まぼろしの市街戦」(1966年)の4Kデジタル修復版。上映後には、新潟国際情報大の越智敏夫教授が作品の魅力について語る。6月2日には、中国の朝鮮族を取り上げたドキュメンタリー作品「血筋」を上映。同映画監督の角田龍一さん=新潟県立大卒=と、プロデューサーを務めたアニメ制作会社社長の山賀博之さん=新潟市出身=がトークイベントも行う。
前売りは1回券千円、4回券3千円で、上映会場などで5月30日まで購入できる。当日券は1100円で、会場のみで販売。問い合わせは実行委、080(3312)8699。