■低価格で宿泊 パン店併設
低価格で泊まれる山小屋風の宿泊施設「ホステル」が4月、黒部市宇奈月温泉でオープンした。宇奈月出身で東京などでの会社勤めを経て古里に昨年戻った酒井公一さん(63)が経営。パン店を併設し、若者が気軽に立ち寄れる新たなスポットにしたい考えだ。
施設は3階建てで、富山地方鉄道宇奈月温泉駅から徒歩3分と近く、角地の目立つ位置にある。富山第一銀行宇奈月支店が2017年11月に営業を終えてからは、空きビルとなっていた。
酒井さんは、全国展開するドーナツチェーン本部に長年勤務。経験を生かし、生まれ故郷の活性化に貢献しようと、2月に株式会社「谷間の風」を設立し、ビルを借りて事業を始めることにした。
若い家族連れの観光客が増えてきたことに着目し、1階には、若者が気軽に入れるパン店「ベイクド焼(しょう)」を設けた。テーブル席やカウンター席を設け、朝は焼きたてのパンセットなど、午後2~4時はパンケーキやピザなどを販売。夜は酒類も提供する。
3階は宿泊施設「ホステル宿(しゅく)」とし、山小屋をイメージした木製のボックス型寝室を並べた構造で12人が宿泊できる。1泊3800円(素泊まり、税別)で、登山客や、ふらりと温泉街を訪れた女性客、外国人をターゲットにしている。2階は宿泊者が会話を楽しむリビングとした。
酒井さんは「また来たいと思ってもらえる場所にしたい。軌道に乗れば、温泉街を活性化させる新たな事業を次々と展開していきたい」と話している。