登山者検診の方法を紹介する市川医師。ペダルをこぐなどして呼気や心電図を測る

登山者検診の方法を紹介する市川医師。ペダルをこぐなどして呼気や心電図を測る

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登山前の心臓チェック 松本協立病院「検診」考案

信濃毎日新聞(2019年5月10日)

 松本協立病院(松本市)が登山者向けに独自の「登山者検診」を考案し、今月から本格的に運用を始めた。心臓病や体力不足などによる山岳遭難を減らす目的。特に高齢者や初心者らに夏山シーズン前の受診を呼び掛けている。

 日本登山医学会(東京)が認定する国際山岳医の資格を持つ同病院循環器内科の市川智英医師(38)が、山に入ってからでは医療の提供に限界がある―と考案。同学会などが実施している検診をベースに、運動能力を測りつつ狭心症や不整脈を発見する負荷試験や、超音波で心臓の状態を調べる心エコーなどを加えた。

 具体的には血液検査や心電図検査を行うほか、負荷試験は自転車のような検査機器のペダルをこいだ状態で心電図や呼気内の酸素量などを測定する。医師が登山者の体力に合った山を紹介したり、登山に向けて必要なトレーニングを助言したりもする。

 市川医師は遭難者の半数が60代以上と指摘。登山経験が豊富な人も少なくないが「体力に自信があってもぜひ受けてほしい。今の時期に疾患や体力不足が分かれば夏までに対策できる」と呼び掛ける。

 検診は検査と医師の助言を盛り込んだ基本コースが2万6400円(税抜き)、1年以内に負荷試験を再度受けられるコースが2万9800円(同)など。登山計画書を持参すれば、行程の相談にも応じる。同病院健診課(電話0263・35・0479)へ。

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