日本の伝統的な色名の由来となった動物の剥製などを展示し、自然の色彩の美しさを伝える企画展=福井県の福井市自然史博物館

日本の伝統的な色名の由来となった動物の剥製などを展示し、自然の色彩の美しさを伝える企画展=福井県の福井市自然史博物館

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天然色の美再発見、福井市自然史博で企画展

福井新聞(2019年5月11日)

 天然の色彩の美しさを再発見する福井市自然史博物館(福井県)の春季企画展(福井新聞社後援)が、同館で開かれている。動植物、鉱物由来の染料や顔料、色名の由来となった動植物を標本約150点で紹介、国の特別天然記念物トキの剥製も公開している。6月2日まで。

 天然の染料は、乾燥させたベニバナの花びらや、多年草のムラサキの根などを展示している。ツユクサの花の汁を布に擦り付けた縹(はなだ)色は、日本の青色の代表とされる。同館協力員の草木染作家、石川雅夫さん=永平寺町=がそれぞれの染料で染めた布も展示され、自然の色彩の美しさが分かる。

 動物由来の染料も紹介。サボテンに寄生するカイガラムシから抽出されるコチニール色素は、ハムやかまぼこの着色に使われている。

 顔料は、鉛筆の芯に使われる石墨などの鉱物を展示。朱色の顔料となる鉱物「辰砂(しんしゃ)」は日本では古来「丹(に)」と呼ばれ、県内の「丹生」は辰砂の産地だったと考えられるという。

 日本の伝統色名の由来となった動植物は、フジやタマムシの標本、トキやキツネの剥製を展示している。

 足羽山の土で作ったクレヨンを試し書きするコーナーもある。

 春季企画展「色彩の自然史-人々が自然の中から見つけ出した色」は入館料100円。太陽や照明にかざすと虹色の光が見える「分光器」を作る無料講座が18日午後3時からある。小学生以上が対象で当日午後1時から受け付け。月曜休館。

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