5月19日に開幕する県無形民俗文化財「三国祭」を前に、完成した人形山車を地元住民に披露する「渡り初め」が同11日、福井県坂井市三国町の各当番区で行われた。囃子方(はやしかた)を乗せた計6基の山車が一足早く町内を練り歩き、本番に向け祭りのムードが高まった。
今年は森町区の「楠木正行」、玉井区の「浅井長政」、喜宝区の「鏡獅子」、上横・竪区の「前田慶次」、上台区の「連獅子」、三国祭保存振興会の「源頼光 決戦大江山」の6基が渡り初めを行った。
このうち、喜宝区では住民ら約40人が山車をひき、声を掛け合いながらかじ取りや電線の回避方法などを確認。子どもたちがにぎやかなお囃子を響かせる中、ゆっくりと練り歩いた。
同区は8年に1度、当番区として山車を奉納する。近年、少子化の影響で近隣市からの参加も多い囃子方だが、ことしの当番区で唯一、区内の児童だけで受け持った。区長の男性(60)は「子どもから大人まで、みんなで一致団結して祭りを盛り上げたい」と意気込んでいた。
山車6基は、16~18日の午前10時~午後5時まで、各山車蔵で展示する。山車巡行は20日午後1時に三國神社を出発する。