提灯を揺らしながら、激しくぶつかり合う山車=高岡市伏木湊町

提灯を揺らしながら、激しくぶつかり合う山車=高岡市伏木湊町

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提灯山車ぶつけ合う「かっちゃ」に沸く 伏木曳山祭

北日本新聞(2019年5月16日)

 「けんか山」で知られる高岡市の無形民俗文化財「伏木曳山(ひきやま)祭」が15日、同市伏木地区中心部で行われた。夜には祭りの目玉である、提灯山車(ちょうちんやま)を激しくぶつけ合う「かっちゃ」が繰り広げられ、会場を沸かせた。

 約360個の提灯をともした山車6基が法輪寺前と本町広場に登場。向かい合った山車が笛や太鼓の合図で走り出し「ドーン」と音を立てて激突すると、来場者は大きな歓声を上げて見入っていた。かっちゃを間近で見られる桟敷席は今年も本町広場に設けられ、ほぼ満席だった。かっちゃの最後に、改元などを祝う垂れ幕が提灯山車から下げられると大きな拍手が起こった。

 日中は花傘を広げた花山車が曳(ひ)き回された。2016年に復元された十七軒町も合わせて7基の山車が勢ぞろいした。本町広場で開かれた出発式では、塩谷雄一同祭実行委員会長があいさつし、高橋正樹市長が祝辞を述べた。河合淳総々代が出発を宣言し、一番山車の中町から順に奉曳(ほうびき)を行った。

 祭りは江戸時代後期から続く伏木神社の春季例大祭。

■ベトナム人実習生 伏木曳山祭に初参加
 塩谷建設(高岡市石瀬、塩谷洋平社長)のベトナム人技能実習生6人が15日、伏木曳山(ひきやま)祭に参加し、十七軒町(じゅうしちけんちょう)の花山車(やま)を曳(ひ)き回した。同祭実行委員会によると、外国人技能実習生の参加は初めて。6人は「イヤサー」と威勢よく声を掛けながら住民らと花山車を曳き、日本の伝統文化を楽しんだ。

 十七軒町の山車は明治の大火で焼失し、その後の祭りでは6基で巡行してきた。2002年から同祭実行委が中心となって復元を進め、16年に完成した。十七軒町は現在は存在しないため、他の6町や十七軒町曳山保存会、同会を支援する地元企業の関係者らが山車の曳き子や囃子(はやし)方を担当している。塩谷建設は、塩谷雄一会長が長く同祭実行委会長を務めていることもあり、16年から社員が十七軒町の山車に関わってきた。

 ベトナムの6人は昨年5月から同社で建設技術を学んでいる。今回は十七軒町の委員を務める渋谷洋一理事営業部長の勧めで祭りに参加した。これまで花火大会や高岡御車山祭(みくるまやままつり)を見学したことはあったが、日本の祭りに携わるのは初めて。

 6人は十七軒町の法被を着て住民らと力を合わせて花山車を曳いた。レ・ヴァン・タインさん(22)は「法被がかっこいい。日本の祭りに参加できてとてもうれしい」と笑顔を見せていた。

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