国宝「紅白梅図屏風(びょうぶ)」の複製が19日、高岡市立野の西念寺で公開され、訪れた人が江戸時代の画家、尾形光琳の傑作をじっくり鑑賞した。
同屏風は光琳の画業の集大成とされる。複製は実物大(二曲一双、各156センチ×172・2センチ)で、MOA美術館(静岡県熱海市)が所蔵している。
初めに同美術館の蓼内茂明インストラクターが、光琳が梅の花を一つの面として描き、花を大きく見せていることや、下地が乾かないうちに次の色を落とす「たらし込み」と呼ばれる技法を用いていることなど、同屏風の特徴を紹介した。
来場者は屏風に近づいて見入ったり、写真を撮ったりしていた。高岡市和田西町の竹下悦男さん(77)は「迫力に驚いた。複製とはいえ、光琳の作品を間近で見ることができてよかった」と話した。同美術館が所蔵する茶道具なども展示された。