ドローンを手に「蜃気楼発生に関係する空気の層を探りたい」と話す佐藤学芸員=魚津埋没林博物館

ドローンを手に「蜃気楼発生に関係する空気の層を探りたい」と話す佐藤学芸員=魚津埋没林博物館

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蜃気楼研究にドローン活用 より正確に発生予測 魚津埋没林博物館

北日本新聞(2019年5月21日)

■海上の空気層 温度や位置探る

 蜃気楼(しんきろう)が発生するメカニズムに迫ろうと、魚津市の魚津埋没林博物館は今月から、小型無人機ドローンを使った海上観測に乗り出す。蜃気楼をつくる空気の層がどの海域のどんな高さにあるか、ドローンを使って探る。より正確な発生予測につながる可能性があり、佐藤真樹学芸員(33)は「発生予測の役に立つデータを得ることができるかもしれない」と期待している。

 蜃気楼は、温度の異なる空気の層が重なることで、実際の景色が伸びたり、上下に反転したりして見える現象。春先には、冷たい空気層の上に暖かい空気層が重なることで、上位(春型)蜃気楼が見える。上位蜃気楼は、平年より気温が高く、北寄りの風が吹く場合などに見えやすいと言われているが、好条件でも見えない日があり、発生メカニズムにはまだ謎が多い。

 佐藤学芸員は、陸上の気温や風向、海面温度の分析だけでは限界があると感じ、ドローンに着目した。県博物館協会の研究補助を活用し、約10万円のドローンを購入した。沖合2キロ、高さ150メートルまで飛ばすことができる。温度計を取り付け、月内に観測を開始する。

 ドローンは、プロペラから風が起こり、本体から熱も発するため、正確に温度を測定することには課題も多い。北海道の北見工業大が局地風などの研究にドローンを使っており、佐藤学芸員は同大関係者らと情報交換し、効果的な手法を探っている。

 佐藤学芸員はこれまでの研究で、蜃気楼をつくる層は海上の高さ30~50メートルにあると予想。蜃気楼発生時にドローンを飛ばし、空気層の位置を探る。「海上の測定はドローンでないと難しい。面白い観測結果を得られるかもしれない」と話している。

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