松本市が昨年度購入した同市出身の前衛芸術家草間弥生さん(90)の立体作品「大いなる巨大な南瓜(かぼちゃ)」など3件52点を並べる特集展示「草間彌生魂のおきどころ」が21日、市美術館で始まる。同館は20日に内覧会を開き、作品を公開した。
「大いなる巨大な南瓜」は、黄色に黒の水玉模様をあしらった高さ約2・5メートルの作品。種苗問屋に生まれた草間さんが幼少期から絵のテーマにしてきた植物と、代名詞の水玉模様が融合している。
出品作は他に、モノクロのシルクスクリーン(版画)50枚の平面作品シリーズ「愛はとこしえ」、はしごを上と下に置いた鏡に映し、無限に続くように見える「天国への梯子(はしご)」。市は計3件を5億2200万円で購入した。
「愛はとこしえ」は、目や人の横顔、ぎざぎざした模様など、松本で過ごした時代の絵画にも見られるモチーフが描かれている。同館学芸員の渋田見彰さん(41)は「(渡米後の)ニューヨーク時代から武器にしてきた水玉や編み目に加え、それまで温めてきたモチーフが描かれ、表現の広がりを世界に知らしめた作品」と評価する。
特集展示は2020年度末までの予定で、3件52点を含む計67点を並べる。午前9時〜午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。