地元住民らが一乗谷朝倉氏遺跡などの日本遺産認定を祝った記念式典=5月20日、福井県福井市の同遺跡

地元住民らが一乗谷朝倉氏遺跡などの日本遺産認定を祝った記念式典=5月20日、福井県福井市の同遺跡

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一乗谷や平泉寺を日本遺産に 広域観光へ相乗効果

福井新聞(2019年5月21日)

 一乗谷朝倉氏遺跡や白山平泉寺をはじめ福井県福井、勝山両市の「石」に関連する文化財が日本遺産に一括認定された5月20日、両市の関係地は喜びに沸いた。歴史遺産の保存や活用に取り組む地元住民らが認定を祝い、相乗効果による観光客増と活性化へ期待を膨らませた。

 一乗谷朝倉氏遺跡の諏訪館跡庭園では、福井市主催の式典が開かれた。朝倉氏遺跡保存協会をはじめ関係団体や地元一乗小の児童ら約30人が出席、くす玉を割って認定を祝い、観光客らが見届けた。

 同遺跡は、庭園や出土品を含め国の特別史跡、特別名勝、重要文化財に指定されている。同様の三重指定を受けている金閣寺(京都市)などは世界遺産になっており、保存協会の岸田清会長(71)は日本遺産認定を「世界遺産に向けた足がかりになる」と喜び、「白山平泉寺や国の重要文化財に指定される大本山永平寺と観光客の客層が一致する。認定を機にさらに広域誘客に取り組みたい」と話した。

 福井城下のまちづくりに大量に用いられた笏谷石や、国の名勝の養浩館庭園なども日本遺産の構成文化財となった。笏谷石を後世に伝える活動に取り組む「ふくい笏谷石の会」の東正一郎会長(62)は「自然に溶け込む薄い青緑色が魅力。認定を機に魅力が全国に広まるといい」と期待した。

 白山平泉寺や旧勝山城下町などが認定された勝山市では、白山平泉寺歴史探遊館まほろばで記念イベントがあり、地元児童らがくす玉を割って認定を祝った。

 住民ら約80人が出席。会場では記念の缶バッジが配られた。平泉寺町平泉寺の区民は、年2度の一斉清掃などで旧境内の維持に努めている。総代(区長)の大久保紳一さん(67)は「感激している。(国史跡の)白山平泉寺に勲章がもう一つ増え、誇りに思う」と喜び、「今後も地域で手を取り合って守っていきたい」と決意を新たにした。

 白山平泉寺周辺観光施設を管理運営する地元会社六千坊の大久保満代表(67)は「福井市の一乗谷朝倉氏遺跡などとセットでPRでき、広域観光の面で相乗効果が期待できる」と声を弾ませた。

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