福井県小浜市田烏一帯を舞台に、多彩な公演や催しが繰り広げられる「内外海田烏 海のステージ」が5月24日始まった。2年目の今年は、昨年の2日間から10日間に拡大。音楽ライブや中高生が出演する企画がめじろ押しで、土日はワークショップや食のマルシェも楽しめる。初日の棚田ステージでは、八百比丘尼伝説を題材にした創作劇が披露された。徐々に夕闇に包まれていく幻想的な雰囲気が、不思議な物語を引き立てて観客は舞台に見入っていた。
創作劇を演じたのは、東京のプロ演劇集団「風煉ダンス」。頭が魚の「へし子」が看板女優を務める劇団「海猫一座」が、田烏にやってきたという設定の「魚人喜譚(さかなびときたん)」を創作した。
住民や若狭高生、小浜市を中心に活動する市民劇団「久須夜」のメンバーも協力し、午後7時から劇を披露。野外ならではの開放感の中、刻一刻と色が変化していく空と海を背景に熱演した。創作劇は25日にも行われる。
このほか集落内では、にぎやかなちんどんが練り歩き、小川で水しぶきを上げる独創的なダンスパフォーマンスが注目を集めた。
土日には帯結びや和菓子作り、砂浜でのヨガ、ボクササイズなどのワークショップがある。蔵シアターで影絵人形芝居が行われ、住民によって食堂やドーナツ店も出される。
新潟県新潟市出身で東京都在住の映像監督、杉本信昭さん(62)が、自然豊かな海辺や集落の雰囲気に魅了され、昨年初めて企画した。「田烏の魅力を発信し、イベント期間以外でも人が訪れるような場所にしたい」と話していた。
6月2日まで。チケットはホームページか、小浜市駅前町のメガネの正視堂、同市大手町の創楽堂で購入できる。詳しい日時は会員制交流サイト「フェイスブック」の「内外海田烏 海のステージ」ページに掲載されている。