白山市一ノ宮地区の住民でつくる「獅子吼(ししく)花の会」が獅子吼高原の麓に植えたシャクヤクが初めて花を咲かせ、見頃を迎えた。25日、一般向けの見学会(北國新聞社後援)が開かれ、会員が休耕地の段々畑に花を咲かせ、緑豊かな高原に彩りを加えようと昨年から始めた取り組みの第1弾について説明した。第2弾として植えたダリアも秋の開花を予定し、会員は「季節の花が楽しめる獅子吼に繰り返し来てほしい」と期待を寄せている。
花の会は、豊かな自然に囲まれた地区内の高原で、花の咲き誇る新たな名所をつくろうと、昨年4月に60~70代の10人で発足した。会員の多くは、高原内の観光施設「パーク獅子吼」でアンズの植栽、手入れを行う団体にも所属している。
休耕地を活用し、来年までにシャクヤク、ダリア、キク、アスターを順次栽培する予定で、取り組みは白山市の市民提案型まちづくり支援事業にも採択されている。シャクヤクは昨年10月、八幡町に広がる段々畑の一角を整備し、約400平方メートルに200株を植えた。今月上旬から咲き始めたという。
25日の見学会では住民や観光客らが赤、白、ピンクのかれんな花に見入った。会員が栽培の経緯やシャクヤクの特徴を解説した。
シャクヤクの見頃は来月中旬まで。会は今月上旬、シャクヤクに隣接する畑約300平方メートルに、ダリア120株も植えた。来年にキクとアスターの栽培を予定するほか、今後は近くの畑で景観向上のためにラベンダーを栽培する別団体との連携も検討する。
嶋久男会長(72)は「四季を通じてさまざまな花が咲く環境を整え、獅子吼高原により多くの人を呼び込みたい」と話した。