農家レストランとなる交流センター。山田会長(左)やゆかたーずのメンバーで農事組合法人を設立する

農家レストランとなる交流センター。山田会長(左)やゆかたーずのメンバーで農事組合法人を設立する

富山県 砺波・南砺・五箇山 特産

どぶろくを特産品に 城端、農業塾で収穫のコメ活用

北日本新聞(2019年5月28日)

■農家レストラン開店へ

 南砺市蓑谷(城端)地域で、若者に米作りの技術を学んでもらう「農業塾」で収穫したコメを活用し、どぶろくの生産や農家レストランをオープンする計画が進んでいる。事業を担うメンバーが28日に農事組合法人を設立。「地域の稼ぐ力を伸ばしたい」と意気込んでいる。

 農業塾は昨年、蓑谷地域の20~50代の男性でつくる「廃れいく集落を真面目に心配する会」(山田清志会長)が初めて取り組んだ。集落の田んぼ2区画計35アールで、山田錦約1400キロを収穫した。

 メンバーから収穫したコメで酒造りをしようという提案があった。南砺市が国の「どぶろく特区」に認定され市内全域で製造可能なことや、少量生産でも対応しやすいことなどから、どぶろく造りに取り組むことを決めた。

 一方、特区内で酒造りの免許を取得するには、農業者が自家産米で仕込んだり、自ら経営する民宿や農家レストランで提供したりするなどの要件を満たす必要がある。

 山田会長は蓑谷地区の主婦グループで、南砺ひつまぶし「なんなんまぶまぶ」をイベントで提供している「ゆかたーず」に協力を求めた。秋のコメ収穫後に蓑谷交流センターで月一度、予約制で地元食材を使った農家レストランをオープンさせることにした。ゆかたーず代表の前田久美子さん(55)=同市西明・城端=は「若い人たちのやる気に押された。みんなで手助けできたら」と話す。

 どぶろくは製造免許などの要件が整えば年内に仕込み、特産のかぶらずしなども一緒に販売したい考え。農事組合法人は城端地域の縄ケ池にちなんで「縄っこ」を名称とする。山田会長は「地元の若者や女性が一緒に地域の特産を生み出そうとしている。集落を支える人材の育成にもつながればいい」と話している。

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