茅野市は、水道水源とする「一本ザワラ水源」(北山)の余り水を誰でも自由にくめる給水所を同水源近くに設けた。八ケ岳山麓の湧水のおいしさを市内外にPRする目的で、給水所の設置は「大清水水源」(米沢)に続いて2カ所目。市は他の水源にも同様の給水所を用意し「水巡り」と銘打って観光振興に活用する構想を練っている。
市水道課によると、一本ザワラ水源の水は軟水で口当たりがまろやか。料理に適しているという。給水所でくめる水は塩素消毒をしていないため、煮沸してからの飲用を勧めている。
給水所は、音無川に架かる県道諏訪茅野線「馬流橋」の北約200メートルの市道沿いに今月設置。一本ザワラ水源を所有する地元・湯川財産区の協力を得て、給水設備を取り付けたり、周辺の水路をコンクリート製から石積みに改修したりした。費用は約200万円。同課は給水所について「今後さらに設置を広げ、水巡りマップも作りたい」としている。
市は他にも水をPRする戦略を進めており、2017年には蓼科高原でくんだ水をペットボトルに詰めて「TATESHINA WATER」との商品名で販売。職員の名刺にQRコードを記し、スマートフォンで読み取ると八ケ岳山麓の湧水のおいしさをPRする動画を視聴できるようにしている。