江戸時代の宿場町で旅人に愛された酒どころ、福井県南越前町の今庄観光協会が地元の酒かすを使った「酒粕あられ」を開発し、販売を始めた。冬の風習として焼いて食べる酒かすの風味を生かし、子どもにも食べやすいよう味を調整した。JR今庄駅内の同観光協会で販売している。
あられは酒かすをパウダー状にし、砂糖などと混ぜて振りかけた。酒かすを焼いて砂糖をかけて食べる風習は、今庄では今も一般的で、協会事務局長の岸梅るみ子さん(61)は「あられはまさにその味。今庄の冬の食を一年中、気軽に誰でも楽しめるようにした」と商品化の狙いを話す。
酒かすの形をイメージして長方形に仕上げ、冬の今庄の雪を思わせる白い見た目が特徴。5月26日に開かれた「今庄そばまつり」で初めて販売し、「お酒の香りがする」「食べやすい」と、老若男女のお客から好評だったという。
宿場町だった今庄は、旅人に出す日本酒を造る酒どころでもあり、現在も江戸時代創業の4軒の蔵元がある。同協会では、2016年から4蔵元の地酒4本セット「歴史が醸す四蔵元物語」を販売。今回はオリジナルの商品作りに初めて取り組んだ。
1袋350円(税込み)。JR今庄駅で買える。問い合わせは今庄観光協会=電話0778(45)0074。