麻などで作った立体作品が並ぶ天野惣平さんの作品展

麻などで作った立体作品が並ぶ天野惣平さんの作品展

長野県 伊那路 祭り・催し

故天野さんの思い感じて 講師務めた辰野美術館で作品展

信濃毎日新聞(2019年6月1日)

 辰野町の辰野美術館で1日、昨年4月に64歳で亡くなった伊那市高遠町出身の造形作家、天野惣平さんの作品展が始まる。天野さんは長年、同館のワークショップ(参加型講習)で講師を務めた。没後1年が過ぎ、改めて作品を鑑賞して功績を振り返ってもらおうと企画。かんなで削った木片や、麻を用いた立体作品など21点を展示する。

 天野さんは武蔵野美術大(東京)を卒業後、イタリアに留学。1980年代半ばに地元に戻り、制作にいそしんだ。天野さんの作品にはタイトルがなく、妻の幸子さん(67)によると「見に来る人がいて作品が完成する」との思いがあったという。

 展示品は同館寄託品の他は幸子さんが貸し出した。スチレンボードを蛇腹状に貼り合わせ、細かく刻んだ麻糸をちりばめた長さ約3メートルの立体作品や、赤や青、黄色などに染めた麻の糸を丸めたり、ほぐしたりして直径1センチほどのアクリルパイプに詰め、色のグラデーションを楽しめる作品などが並んでいる。

 幸子さんは「一つ一つに思いが込められていて胸が詰まる。それぞれに(天野さんの)丁寧な部分が表れていると思う」と話している。

 午前9時〜午後5時。月曜休館。入館料は大人300円、高校生以下無料。問い合わせは同館(電話0266・43・0753)へ。

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