青大豆を使ったきな粉(右)と元々のきな粉をかけた水だんご。それぞれ親しまれている

青大豆を使ったきな粉(右)と元々のきな粉をかけた水だんご。それぞれ親しまれている

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青大豆きな粉 水だんごで復活 魚津の「藤吉」  風味・うまみ評判上々

北日本新聞(2019年6月6日)

 食品・総菜を取り扱う「魚津ご城下の台所 藤吉(とうきち)」(魚津市中央通り)は、黒部市の菓子店から引き継いだ夏の味覚「水だんご」のきな粉に、昨年から県産青大豆を使っている。長く、黄緑色に着色したきな粉を使ってきたが、50年以上前は青大豆が原料だったと分かり、3年かけて元祖の味を再現した。青大豆の風味やうまみが伝わり、評判は上々という。

 水だんごは、黒部市生地地区に伝わる夏の味覚で、新川地域で古くから親しまれている。団子の原料は、米粉と片栗粉、水のみ。藤吉は、後継者がいなかった菓子店・河田屋から製法を託され、2012年から水だんごを作っている。気温が低いと固くなるため、毎年4月から10月に製造。今年は暖かかったため、3月から作り始めた。

 新川地域では、きな粉といえば黄緑色に着色されたものが一般的だが、富山市や県外の客からは、独特の色を不思議がる声があった。大野慎太郎オーナー(34)と、妻で店長のあかりさん(36)が調べたところ、50年以上前は、新川地域で生産が盛んだった青大豆を使っていたと判明。青大豆の生産が減り、大豆に切り替えてからは、着色料で青大豆の色を再現するようになったとみられる。

 青大豆のきな粉は、県内のきな粉製造会社と試行錯誤し、15年から3年かけて完成させた。青大豆の色を出すのに苦心したが、ほのかに緑色がかった淡い色に落ち着いた。

 店長のあかりさんは「豆の風味が広がって、思った以上においしかった。天然由来の色なので、光の影響で退色してしまいますが、味には問題ありません」と話す。

 これまでの着色されたきな粉も、黒部市生地地区を中心に根強い支持があり、同地区だけで販売を続けている。

 藤吉は、6日が魚津神社春季例祭のため休みで、7日は営業する。

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